パレスチナ問題は、その歴史、民族や宗教の差異、双方に譲れない正義や信仰があり、第三者が問題の当否を裁定することなど叶いません。叶いませんが、阿鼻叫喚の地獄絵図と化したガザ地区に思いを馳せると、戦闘の是非は明瞭です。
ガザ戦闘休止を伝える新聞に、戦禍で瓦礫と化した街の崩れ落ちたビルの構造物に股がり、満面の笑みを浮かべる子どもたちの写真が躍っており、記事の見出しには「守りたい、この笑顔」とありました。
武力に解決を求めれば、怨みや憎しみの連鎖となることは誰もが知るところです。子どもたちの笑顔を、悲しみや怒りの顔にしてはならないのです。
全ての命の安寧を説かれたお釈迦様のお言葉です。
実にこの世においては、怨みに報いるに
怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。
怨みをすててこそ息む。
これは永遠の真理である。〈ダンマパダ・第五偈〉
怨みや憎しみは、誰一人幸せにしません。何としても、子どもたちの笑顔を守って欲しい、私の誓願です。
岩波文庫『ブッダの真理のことば 感興のことば』〈中村 元 訳〉より引用